アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎とは
アトピー性皮膚炎とは、強いかゆみを伴う湿疹が左右対称に発生し、症状が良くなったり悪くなったりを慢性的に繰り返す皮膚疾患です。アトピー性皮膚炎は子供のことに発症し、体の成長に伴って改善していくことが一般的ですが、大人になっても症状が継続したり、大人になってから発症するケースも存在します。
年齢的な症状の特徴として、乳児期は頭や顔全体に症状が起こり、次第に幹部が手足や体感に降りていく傾向があり、思春期・成人期は手足や首などの関節に湿疹が起こりやすいとされています。
仕組みとしては、皮膚の内部で炎症が起こることで、本来皮膚が持っているバリア機能が低下して炎症やかゆみが広がりやすい状態になります。かゆみを我慢できず、皮膚をかき壊してしまうと、バリア機能が更に低下することで、悪循環に陥ります。また、バリア機能が失われることで皮膚の水分が失われやすくなり、乾燥肌の状態になりやすいことも特徴です。
アトピー性皮膚炎の原因
アトピー性皮膚炎の原因は一つとは限らず、いくつもの要因が重なって起こる多因子性の疾患であると考えられています。アトピー性皮膚炎の原因となる要素は下記の通りです。
- アトピー素因(アレルギーの原因となるIgE抗体を作りやすい体質)
- 皮膚のバリア機能の低下
- ストレス
- 遺伝によるもの
- アレルギー(花粉、食べ物、動物、ダニ、ハウスダスト)
- 汗
体質に関する要因で皮膚の免疫が低下し、炎症の原因となる物質(アレルゲン)が皮膚の内部に侵食すると、炎症やかゆみを引き起こすと考えられています。
アトピー性皮膚炎の診断
①かゆみ、②特徴的な皮疹と分布、③慢性反復性の3項目を満たす場合は、アトピー性皮膚炎であると診断されます。
アトピー性皮膚炎は、症状の重症度によって、さらに軽症、中等症、重症、最重症の4段階に分けられます。軽 症:面積にかかわらず皮膚に軽度の皮疹のみがみられる状態です。
- 中等症:強い炎症を伴う皮疹が体表面積の10%未満の範囲にみられる状態です。
- 重症 :強い炎症を伴う皮疹が体表面積の10%~30%の範囲にみられる状態です。
- 最重症:強い炎症を伴う皮疹が体表面積の30%以上の範囲に及ぶ状態です。
また、必須ではありませんが、血液検査を実施し、血液中のTARC(ターク)値を検査することで、症状の状態をより具体的に把握することが可能になります。TARC値が小児であれば760pg/mL以上、成人であれば700pg/mL以上であった場合は、中等症であると診断されます。治療によってTARC値が500~700pg/mLまで下がると、見た目ではアトピー性皮膚炎とはわからない程度に軽症になったと言えます。
アトピー性皮膚炎の治療方法
アトピー性皮膚炎の治療は、研究が進むにつれて少しずつ選択肢が増えています。
前提として、どの治療方法を進めるにしても、皮膚の保湿を行うことは治療の基本となります。
治療の選択肢は多岐に渡りますが、一例として、まずステロイド外用薬の処方が挙げられます。ステロイド外用薬は炎症を抑える塗り薬で、効果の強さによって5つのランクがあり、重症度や塗る場所で使い分けがされます。
また、近年では、アトピー性に適用を有する生物薬剤を体内に注射する、生物学的製剤による治療も始まっています。ステロイド外用薬などでは十分な効果がでなかった場合に効果が期待できる新薬として注目されていますが、治療には時間がかかることと薬価が非常に高価であることから、保険適用であっても自己負担額が大きく、検討が必要な治療となります。
その他の選択として、当院では光線治療での治療を推奨しております。光線治療は週1~2回の通院が必要となりますが、他の治療に比べて費用が安く(3割負担の方で1回あたり約1,000円)、ステロイド外用薬で効果が表れにくい場合においても、症状の改善を期待することができる療法です。
当院のアトピー性皮膚炎治療
アトピー性皮膚炎は原因が一つではないことが多く、症状の原因や重症度に応じて、塗り薬や光線治療など様々な治療方法が存在します。横浜市都筑区にあるあおぞら皮膚科クリニックでは、アトピー性皮膚炎についても丁寧な診察を行い、症状に応じた適切な治療をご提案させていただきます。アトピー性皮膚炎でお悩みの方は、お気軽に当院までご相談ください。
